NMNとは?細胞の「エネルギー力」から美しさを支える。ヒト試験でわかった期待の成分

COLUMN
NMNとは?細胞の「エネルギー力」から美しさを支える。
ヒト試験でわかった期待の成分
2026.10.16
NMNは、私たちの細胞がエネルギーを生み出すために欠かせない「NAD+」の材料です。NAD+は年齢とともに減っていくことが知られており、NMNはそれを補う新しい習慣として注目されています。ヒトを対象とした試験では、血液中のNAD+の上昇に加え、筋肉の糖代謝や歩行速度の向上といった具体的な成果も報告されています。さらに、肌を外側の刺激から守るアスタキサンチンと組み合わせれば、美容を「内側の土台」と「肌の守り」の両面から支えられます。
化粧品も食事も、ちゃんと気をつけている。それなのに、以前より疲れが残りやすい、肌の調子が戻りにくい。そんな変化を感じ始めたら、次に目を向けたいのが「細胞のエネルギー」です。
肌も体も、一つひとつの細胞が元気に働くことで成り立っています。そのエネルギーづくりを根っこから支えるのがNMN。この記事では、NMNに期待される効果と、それを裏づけるヒト研究の実例、そして美容に役立てるための成分の組み合わせ方までをご紹介します。
01
NMNとは?
「とった栄養を、動く力に変える」仕組みの材料
NMN(ニコチンアミド・モノヌクレオチド)は、もともと体内にある成分で、NAD+をつくるための直接の材料になります。枝豆やブロッコリー、アボカドなどの食品にも含まれますが、その量はごくわずかです。
NAD+(ニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド)は、体内の化学反応を助ける「補酵素」。食事からとった糖質や脂質を、細胞が使えるエネルギーに変える過程で、中心的な役割を果たします。
| 成分 | 体内での役割 | たとえるなら |
|---|---|---|
| NMN | NAD+をつくるための材料 | 燃料をつくるための原料 |
| NAD+ | エネルギー代謝や細胞のメンテナンスを助ける補酵素 | エンジンを動かす燃料 |
どれだけ良い食事をしても、それをエネルギーに変える仕組みが十分に働かなければ、栄養を活かしきれません。「何を食べるか」の一歩先、「とった栄養をどう使うか」に働きかけられること。それがNMNならではの魅力です。
02
NAD+が支える、エネルギーづくりと
細胞のメンテナンス
NAD+は「エネルギーづくり」と「細胞のメンテナンス」という、いきいきとした毎日を支える2つの仕事を担っています。
① 細胞のエネルギーづくり
歩く、考える、肌を生まれ変わらせる。こうした活動はすべて、細胞が生み出すエネルギーで動いています。NAD+は、そのエネルギー代謝の中心で働く存在です。
② 細胞のメンテナンス
NAD+は、代謝を調整する「サーチュイン」や、DNAの傷の修復に関わる「PARP」という酵素が働くときにも使われます。サーチュインをつくる遺伝子は「長寿遺伝子」とも呼ばれ、年齢研究の分野で大きな注目を集めています。
つまりNAD+は、今日を動くための力と、細胞をよい状態に保つための力を両方支える存在。その材料となるNMNに、研究者たちの熱い視線が注がれているのです。

03
年齢とともに減るNAD+。
だから今、NMNが注目されている
ヒトの肌の組織を調べた研究では、年齢が高いほどNAD+が少ないという関係が確認されています。
2012年に発表された研究では、幅広い年代の人の皮膚組織を分析し、年齢とNAD+量の間に負の相関が認められました(参考文献1)。肌そのものの中で、年齢とともにNAD+が減っていく。この事実は、美容に関心のある方にとっても見過ごせないポイントです。
ここから生まれたのが、「減っていくNAD+を、材料であるNMNで補えないか」という発想です。そして世界各地で、実際に人がNMNを摂取する臨床試験が進められてきました。NMNは、「年齢に合わせたケア」を細胞のレベルから考える、新しい選択肢なのです。
04
NMNに期待される3つの効果と、
ヒト試験の実例
NMNに期待されるのは、①体内のNAD+を高める、②代謝の働きを支える、③毎日の活動力を支える、の3つです。いずれも、プラセボ(有効成分を含まない食品)と比較したヒト試験で、具体的な成果が報告されています。
期待① 体内のNAD+を高める
実例:健康な成人で、血液中のNAD+が有意に上昇
2022年に発表された国内の試験では、健康な成人30人がNMNを1日250mg、12週間摂取しました。その結果、NMNを摂取したグループで、血液中のNAD+量がプラセボ群と比べて明らかに上昇。安全性にも問題は認められませんでした(参考文献2)。
さらに2024年に発表された、高齢の方60人を対象とする12週間の試験でも、NMNを摂取したグループで血液中のNAD+が高まったことが確認されています(参考文献5)。「とると、体内のNAD+が高まる」。この土台となる成果が、年代の異なる複数の試験で繰り返し確かめられているのが、NMNの強みです。
期待② 代謝の働きを支える
実例:閉経後の女性で、筋肉が糖を取り込む働きが向上
2021年、科学誌『Science』に掲載された研究です。過体重・肥満があり糖尿病予備群に該当する閉経後の女性25人が、NMNを1日250mg、10週間摂取。インスリンの働きに応じて筋肉が糖を取り込む力(筋肉のインスリン感受性)が向上したと報告されました(参考文献3)。
女性の体は、閉経前後で代謝のあり方が大きく変わります。その世代の女性を対象に、世界的な科学誌で成果が示されたことは、NMN研究の大きなマイルストーンといえます。
期待③ 毎日の活動力を支える
実例:高齢の方で、歩行速度や握力に改善が見られた
2022年の国内研究では、65歳以上の健康な男性42人がNMNを1日250mg、最長12週間摂取しました。血液中のNAD+の上昇に加え、歩行速度や左手の握力に改善を示す結果が報告されています(参考文献4)。
前述の2024年の試験でも、NMNを摂取したグループはプラセボ群より4mの歩行時間が短く、睡眠の質の改善も報告されました。血液の数値だけでなく、「歩く」「握る」「眠る」という毎日の場面にまで変化が表れたことは、NMNの可能性を具体的に感じさせてくれる成果です。
| 期待される働き | 試験の対象 | 摂取条件 | 報告された成果 |
|---|---|---|---|
| NAD+を高める | 健康な成人30人(2022年) | 250mg/日・12週間 | 血液中NAD+が有意に上昇 |
| 代謝を支える | 閉経後の女性25人(2021年) | 250mg/日・10週間 | 筋肉のインスリン感受性が向上 |
| 活動力を支える | 65歳以上の男性42人(2022年) | 250mg/日・最長12週間 | 歩行速度・握力に改善 |
| 活動力を支える | 高齢の方60人(2024年) | 250mg/日・12週間 | NAD+上昇、4m歩行時間の短縮、睡眠の質の改善 |
※摂取量・期間は各研究の条件です。研究結果は、すべての方に同様の変化を保証するものではありません。
05
美容には「内側」と「外側」の2方向で。
NMN×アスタキサンチンのすすめ
美容を意識するなら、NMNで「内側のエネルギーの土台」を整えながら、アスタキサンチンで「肌を外側の刺激から守る」組み合わせがおすすめです。役割の異なる2つの成分を組み合わせることで、美容に別々の角度からアプローチできます。
肌は毎日、紫外線や乾燥といった外からの刺激にさらされています。そこで生まれる「酸化」が、ハリやうるおいを失う一因になります。ここで活躍するのが、サケやエビの赤い色素でもあるアスタキサンチンです。
アスタキサンチンの美容研究の実例
- 乾燥しやすい季節の肌を守る:健康な女性65人を対象にした16週間の試験で、アスタキサンチンを摂取したグループは、シワの指標や肌の水分量の悪化がプラセボ群より抑えられたと報告されています(参考文献6)。
- 紫外線を浴びた肌を守る:健康な日本人を対象とした試験で、アスタキサンチンを摂取したグループは、紫外線を照射した肌の赤みが生じにくくなり、水分の失われ方も抑えられたと報告されています(参考文献7)。
NMNが支えるのは、細胞のエネルギーという「内側の土台」。アスタキサンチンが支えるのは、紫外線や乾燥からの「肌の守り」。どちらか一方ではなく両方を備えることで、美容のケアに奥行きが生まれます。

| 比較項目 | NMN | アスタキサンチン |
|---|---|---|
| アプローチ | 内側から:細胞のエネルギーづくり | 外側から:紫外線・乾燥などの刺激への守り |
| キーワード | NAD+・代謝・活動力 | 抗酸化・うるおい・ハリ |
| ヒト試験の実績 | NAD+上昇、筋肉の糖代謝、歩行速度 | 肌の水分・シワ指標、紫外線への肌反応 |
※ここでは、それぞれの成分を経口摂取した研究情報を紹介しています。NMNとアスタキサンチンの併用による相乗効果を示すものではありません。
06
毎日のケアに上手に取り入れる4つのコツ
NMNは、続けやすいタイミングを決めて「習慣」にしてしまうのが1番の近道です。今日から始められるコツをご紹介します。
1. とるタイミングを固定する
朝食のあと、歯みがきの前など、毎日の動作とセットにすると習慣になります。アスタキサンチンは脂溶性なので、食後に一緒にとると吸収の面でも理にかないます。
2. まずは3か月を目安に続ける
紹介した研究の多くは10〜16週間の摂取で成果を確かめています。細胞のレベルから整えるケアだからこそ、続けることが力になります。
3. スキンケア・UV対策と並走させる
内側のケアに、いつもの保湿や日焼け止めを重ねることで、美容の土台がさらに確かなものになります。
4. 小さな変化を記録する
朝の目覚め、歩くときの軽さ、肌の調子などを、月に一度メモしてみましょう。続ける楽しみが生まれ、自分に合うケアも見つけやすくなります。
服薬中・通院中の方、妊娠中・授乳中の方は、始める前に医師や薬剤師にご相談ください。
07
NMNについてよくある質問
QNMNとNAD+は何が違うのですか?
NMNはNAD+をつくるための材料、NAD+はエネルギー代謝や細胞のメンテナンスを助ける補酵素です。NMNをとることで、体内のNAD+が高まることがヒト試験で確認されています。
Q何歳から取り入れるのがおすすめですか?
NAD+は年齢とともに減っていくため、体力や肌の変化を感じ始めたときが始めどきです。研究では健康な成人から高齢の方まで、幅広い年代で成果が報告されています。
Qどのくらい続けるとよいですか?
紹介したNMNの試験は10〜12週間で成果を評価しています。まずは3か月をひとつの目安に、生活のリズムに組み込んで続けるのがおすすめです。
QNMNとアスタキサンチンは一緒にとってもよいですか?
原稿では、役割の異なる成分として、それぞれの製品に表示された1日の目安量を守って取り入れる方法を紹介しています。併用を検討する際は、服薬中・通院中の方などは医師や薬剤師にご相談ください。なお、各成分の研究結果は、両成分を併用した場合の効果を示すものではありません。
Qサプリメントを選ぶときのポイントは?
1日の目安量あたりの成分含有量、純度や品質検査の開示、製造環境を確認しましょう。成分ごとの安全性情報は、国立健康・栄養研究所の「健康食品」の安全性・有効性情報でも確認できます。
08
まとめ
細胞のエネルギーという「内側」と、肌を守る「外側」。NMNとアスタキサンチンの2方向から、これからの美しさを育てていきましょう。

09
参考文献
- Massudi H, et al. Age-associated changes in oxidative stress and NAD+ metabolism in human tissue. PLoS One. 2012;7(7):e42357. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0042357
- Okabe K, et al. Oral administration of nicotinamide mononucleotide is safe and efficiently increases blood NAD+ levels in healthy subjects. Front Nutr. 2022;9:868640. https://doi.org/10.3389/fnut.2022.868640
- Yoshino M, et al. Nicotinamide mononucleotide increases muscle insulin sensitivity in prediabetic women. Science. 2021;372(6547):1224-1229. https://doi.org/10.1126/science.abe9985
- Igarashi M, et al. Chronic nicotinamide mononucleotide supplementation elevates blood NAD+ levels and alters muscle function in healthy older men. npj Aging. 2022;8:5. https://doi.org/10.1038/s41514-022-00084-z
- Morifuji M, et al. Ingestion of β-nicotinamide mononucleotide increased blood NAD levels, maintained walking speed, and improved sleep quality in older adults in a double-blind randomized, placebo-controlled study. GeroScience. 2024;46(5):4671-4688. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38789831/
- Tominaga K, et al. Protective effects of astaxanthin on skin deterioration. J Clin Biochem Nutr. 2017;61(1):33-39. https://doi.org/10.3164/jcbn.17-2
- Ito N, et al. The protective role of astaxanthin for UV-induced skin deterioration in healthy people: a randomized, double-blind, placebo-controlled trial. Nutrients. 2018;10(7):817. https://doi.org/10.3390/nu10070817
- 国立健康・栄養研究所「健康食品」の安全性・有効性情報 https://hfnet.nibiohn.go.jp/
※本記事は成分に関する研究情報を紹介するものです。疾病の診断、治療、予防を目的としたものではありません。