保湿しても乾燥するのはなぜ?カギは角層の「セラミド」にあった

COLUMN
保湿しても乾燥するのはなぜ?カギは角層の「セラミド」にあった
2026.10.30
化粧水も乳液も、朝晩きちんと使っている。それなのに夕方には肌がつっぱるし、季節の変わり目には乾燥が気になる。そんな経験はありませんか?
先に答えをお伝えすると、うるおいが続くかどうかは「どれだけ与えたか」よりも、「与えた水分を角層がどれだけ抱えておけるか」で大きく変わります。その“抱えておく力”の中心にいるのが、角層のセラミドです。
保湿の手応えを変えたいなら、「水分を足す」から「うるおいを保てる肌を育てる」へ、視点を切り替えるのが近道です。このコラムでは、その仕組みと、研究でわかってきたセラミドの可能性をお話しします。
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保湿しているのに乾くのは、「守る力」が追いついていないサイン
保湿しても乾くときの多くは、「水分が足りない」のではなく、「入れた水分がとどまっていない」状態です。化粧水をつけた直後はしっとりしているのに、数時間で元に戻ってしまう。それは、角層から水分が逃げやすくなっているサインかもしれません。
肌から水分が蒸発していく量は、TEWL(経皮水分蒸散量)という指標で測ることができます。角層がしっかり整っている肌ではTEWLが低く保たれ、うるおいが長く続きます。反対に角層の構造が乱れると、せっかく与えた水分もどんどん外へ逃げてしまうんです。
だから乾燥ケアで本当に大切なのは、「何を足すか」と同じくらい、「足した水分を守れる角層かどうか」。ここに目を向けると、毎日の保湿の手応えが変わってきます。
02
うるおいを守るのは、わずか0.01〜0.02mmの「角層」
肌のうるおいを守っているのは、肌のいちばん外側にある、厚さ0.01〜0.02mmほどの「角層」です。食品用ラップほどの薄さしかありませんが、ここが肌全体の水分を守る最前線になっています。
角層には、大きく2つの役割があります。
- 肌の内側から水分が逃げるのを防ぐ
- 外からの乾燥や刺激を入り込みにくくする
角層のつくりは、よく「レンガとモルタル」にたとえられます。レンガにあたるのが、15〜20層ほど積み重なった「角層細胞」。そのすき間をぴったり埋めるモルタルにあたるのが「細胞間脂質」です。そして、この細胞間脂質の中心となる成分がセラミドなんです。
参考:Kahraman E, et al. Recent Advances on Topical Application of Ceramides to Restore Barrier Function of Skin. Cosmetics. 2019;6(3):52.
03
セラミドは角層の“モルタル”。うるおいを抱え込む層をつくる
セラミドは、角層細胞のすき間で水分をはさみ込みながら、何層にも重なる「ラメラ構造」をつくる脂質です。この層がきれいに整っているほど、肌はうるおいを抱え込み、外からの刺激にも揺らぎにくくなります。
ヒトの角層では、セラミド、コレステロール、脂肪酸がおよそ1:1:1の割合で存在し、水の層と油の層が交互に重なるミルフィーユのような構造をつくっています。「セラミド=しっとり成分」とよくいわれますが、本当の価値はもっと奥にあります。肌がもともと持っている「うるおいを保つ仕組み」そのものを形づくっている成分なんです。
さらに興味深いのは、セラミドには種類があり、そのバランスが肌の状態と関わっているという点です。
30〜40代の日本人女性26名の角層を詳しく分析した2024年の研究では、次のことが報告されています。
- セラミドNPなど特定の種類が多い人ほど、角層の水分量が高く、TEWLが低い傾向
- 乾燥しやすい肌では、セラミドの種類のバランスが異なる
つまり大切なのは、セラミドの「量」だけではありません。どんなセラミドが、どんなバランスで存在しているかが、うるおいの保ちやすさに関わっているんです。
参考:Akiyama F, et al. Correlations between Skin Condition Parameters and Ceramide Profiles in the Stratum Corneum of Healthy Individuals. Int J Mol Sci. 2024;25(15):8291.
04
研究で確認されてきた、セラミドの保湿力
セラミドを配合したスキンケアには、角層の水分量を高め、水分の蒸散を抑えることが期待されています。ヒトを対象とした試験でも、その働きが確認されてきました。
たとえば、セラミドとコレステロール、脂肪酸を肌に近いバランスで配合したクリームを使った試験があります。ランダム化二重盲検(使う人も評価する人も、どちらのクリームか分からない状態)で行われたこの試験では、1回塗布しただけで次の結果が報告されています。
- 角層の水分量が高まり、塗布24時間後までその状態が続いた
- TEWLは塗布2時間後に約25%低下し、24時間後まで低い状態が続いた
「塗った瞬間にしっとりする」だけでなく、うるおいを“保てる状態”を角層から支える。ここが、ほかの保湿成分とは違うセラミドならではの魅力です。
参考:Spada F, et al. Skin hydration is significantly increased by a cream formulated to mimic the skin's own natural moisturizing systems. Clin Cosmet Investig Dermatol. 2018;11:491-497.

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次の注目は「長さ」。ヒトの肌は“長いセラミド”が主役
ひとくちにセラミドといっても、分子の「長さ」はさまざまです。そしてヒトの角層では、とても長いセラミドが主役になっています。この「長さ」が、いまセラミド研究で注目されているテーマのひとつです。
セラミドは、「スフィンゴイド塩基」と「脂肪酸」が結びついてできています。この脂肪酸部分の長さは炭素の数で表され、ヒトの角層ではC16〜C26ほどの幅があります。その中でもっとも多いのが、C24という長い脂肪酸鎖です。
「長さ」と肌の状態の関係を示した研究も出てきています。
- 長いほど、うるおいが逃げにくい傾向:先ほどの2024年の研究では、乾燥しやすい肌ほどセラミドの脂肪酸鎖が短めでした。反対に、鎖が長いほどTEWLが低い傾向が確認されています。
- 長さに幅をもたせると、よい結果が出ている:C18だけのセラミドNPと、脂肪酸の長さに幅をもたせたセラミドNPを比べたヒト試験では、後者のほうが3つの点で良好な結果を示しました。テープで角層をはがした後のバリアの回復、角層のまとまり、そして14日間使った後の角層水分量です。
セラミドは、「入っているかどうか」で選ぶ時代から、「どんな種類で、どんな長さか」まで見て選ぶ時代へ。ここを知っておくと、スキンケアの選び方が一段と深くなります。
参考:Oh MJ, et al. Novel phytoceramides containing fatty acids of diverse chain lengths are better than a single C18-ceramide N-stearoyl phytosphingosine to improve the physiological properties of human stratum corneum. Clin Cosmet Investig Dermatol. 2017;10:363-371.
参考:Akiyama F, et al. Int J Mol Sci. 2024;25(15):8291.
※研究結果は、試験で用いられた処方に関するものです。
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今日からできる、「与える+守る」保湿の組み立て方
うるおいが続く肌をめざすなら、「与える」「抱える」「守る」の3つをそろえるのがポイントです。それぞれ得意な成分が違うので、組み合わせることで、うるおいを多方向から支えられます。
| ステップ | 役割 | 代表的な成分 |
|---|---|---|
| 与える | 角層に水分を届ける | 水、グリセリン など |
| 抱える | 水分をつかまえて離さない | ヒアルロン酸、アミノ酸 など |
| 守る | 角層のすき間を整え、うるおいを閉じ込める | セラミド、スクワラン、植物オイル など |
毎日のケアで意識したいのは、次の3つです。
- 洗顔後はすぐに保湿する:洗った直後の肌は、水分が逃げやすい状態です。時間をあけずに化粧水でうるおいを与えましょう。
- 「守る」ステップまでセットで行う:化粧水で終わらせず、セラミドなど角層を整える成分で仕上げると、うるおいが長続きしやすくなります。
- こすらず、やさしくなじませる:角層はとても繊細です。手のひらで包み込むようになじませるのがおすすめです。
使う量を増やすより、「守る」まで設計されたケアを選ぶ。それが、夕方の乾燥と上手につきあうための近道です。
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RESONUSがセラミドを大切にする理由
RESONUSのスキンケアが大切にしているのは、刺激で“攻める”ことではありません。毎日使い続けながら、うるおいに満ちた健やかな肌を保つことです。
その考え方の中心にあるのが、セラミドです。そして私たちがこだわってきたのは、「セラミドが入っているか」ではなく、「どんなセラミドを選ぶか」でした。
- どこから得られたセラミドなのか
- ヒトの角層に近い構造をもっているか
- どの種類のセラミドなのか
- ヒトの肌に多い“長さ”をもっているか
この4つの視点で見ると、同じ「セラミド配合」でも、中身がまったく違うことが見えてきます。
次回のコラムでは、植物セラミド・疑似セラミド・ヒト型セラミドの違いと、「種類」と「長さ」という2つのものさしについて、さらに詳しくお話しします。
次の記事:セラミドは種類まで見て選ぶ(公開後にリンクを設定)

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よくある質問
Q 化粧水をたくさん重ねれば、乾燥しにくくなりますか?
一時的にはうるおいますが、水分を守る角層が整っていないと、時間とともに蒸散しやすくなります。量を増やすより、セラミドなどの「守る」成分まで組み合わせることがポイントです。
Q セラミドはどんな人に向いていますか?
乾燥しやすい方、季節の変わり目に肌が揺らぎやすい方、年齢とともにうるおいが続かなくなったと感じる方に、特に取り入れていただきたい成分です。もともと肌に存在する成分なので、毎日のケアに取り入れやすいのも魅力です。
Q 「セラミド配合」なら、どれも同じですか?
実は違います。由来、構造、種類、そして分子の長さによって性質が変わります。詳しくは次回のコラムで解説します。※ここにもリンクを差し込む(土肥)
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まとめ|保湿しても乾くなら、「守る力」を育てるケアへ
保湿しているのに乾燥する。その原因は、水分が足りないことよりも、角層がうるおいを抱えきれていないことにあるかもしれません。
うるおいを守っているのは、わずか0.01〜0.02mmの角層です。その中で、水分を抱え込むラメラ構造をつくっているのがセラミドです。ヒトを対象とした試験では、セラミドを配合したケアで、角層の水分量が高まることや、水分の蒸散が抑えられることが確認されてきました。さらに最近では、セラミドの「種類」や「長さ」とうるおいの関係も明らかになりつつあります。
毎日の保湿を、「水分を足すケア」から「うるおいを保てる肌を育てるケア」へ。セラミドを知ることが、その第一歩になります。